来月には京ぽん2が、再来月にはスマートフォンが発売され、携帯端末史上類を見ないコミュニティー形成の原動力となった京ぽんも静かに主役を交替しようとしています。
機種変更すれば恐らくメインで京ぽんを使うことはなくなるでしょう。そこで今、もう一度京ぽんについて考えてみたいと思います。
京ぽんが日本のケータイ史上で初めてフルブラウザを搭載し話題になった一方でユーザーからは色々と文句がつけられました。その最たるものがUIについてです。
目的の機能がどこにあるのか分かりづらい、もっさり、と非難の多い京ぽんのUIですが、ここでは敢えて京ぽんならではのUIの優れた点をあげたいと思います。
一つ目はキーリピートが利く点です。
キーリピートとはキーを押しっ放しにすると何度もそのボタンを押したのと同じになる機能です。PCでは至って普通の機能ですがなぜかケータイ業界では十時キーでの方向移動などに限定して使われています。その理由は恐らくケータイ特有のキー操作「長押し」があるためでしょう。そもそもキーの数が少ないケータイでは多くの操作ができるように同じキーでも短押しと長押しで全く異なる機能が実行されます。ケータイの操作が分かりにくい原因の一つだと思います。
さてそのキーリピートですが京ぽんではほとんどの場面でキーリピートが利く様になっています。例外は待ち受け画面ぐらいです。例えばブラウザを起動中にクリアキーを短押しすると一つ前の画面に戻りますが、押しっ放しにしていると一つずつ連続して戻って行きます。ちなみにau端末で同じことをするとなぜかEZwebのトップメニューに飛ばされます。
二つ目はほとんどの画面でダイヤルキーによるショートカットが可能な点です。
ケータイでは様々な場面でメニューを呼び出し機能を実行します。このときの操作は十時キーで実行する機能を選んで決定キーを押すことが普通です。しかしメニューの項目が多くさらに選ぶ機能がちょうど真ん中あたりにあったりすると一々選ぶのが手間で使いづらさ、イライラの温床となります。
メールを書くときにコピーやカット、ペーストをよくすると思いますが、そういった項目がサブメニューの4番目あたりにあったりすると書く気も失せてしまったりしませんか?私はそうでした。
こうした不便を解消するためにいくつかの機種ではダイヤルキーによるショートカットが設定されています。各機能に各数字のキーが割り当てられていて、十時キーで一々項目を選ぶ必要が無くなります。先ほどのメールの例で言うと顔文字が1、アドレス帳呼び出しが2、コピーが3…といった具合です。
京ぽんでもダイヤルキーによるショートカットが可能です。メインメニューの呼び出しから各画面でのサブメニュー操作もダイヤルキーで選択できます。
こんな機能今時のケータイには大体付いてるから取り上げるほどのことでもないだろう、と思われがちですが京ぽんに限っては違います。京ぽんは基本的にすべての動作が「もっさり」なのです。カーソル一つ動かすのでも何となくもたつくぐらいのレベルです。なのでボタン操作一つ分でもなるべく操作の回数を減らしてもっさりを回避するしかありません。そのためにはショートカットが必須なのです。こういった理由から京ぽんは図らずも利用者にショートカットキーの利用を促します。
ただ一つ付け加えなければならないのがショートカットキーについての説明が明示されてない点です。
普通ショートカットが可能な場面では何らかの表示をします。たとえばメインメニューではメニューナンバーをそれとなく表示してみたり、サブメニューでは項目の左端に対応するダイヤルキーを表示したり(「③コピー」の様に)します。
しかし京ぽんではそういったサポートがほとんどされていません。そのため普通に使っていたのではショートカットが使えることに気づくこともありません。これはいただけない。
という批判が多かったためか京ぽん2ことWX310Kではショートカットキーの表示もされるようになったようです。かなり細かいところではありますがこういった地道な改良が使いやすさに大きく関わってくると思います。
以上2点はまあどうってことないのですが、二つを組み合わせると意外と便利に使えるようになったりもします。つまりダイヤルキーを押しっぱなしにすることでショートカットからの操作をいくつか自動で行うことができます。
最もお手軽なのはメールの受信。京ぽんはメールを手動で受信する際待ち受け画面から
メールキー>Eメール送受信>受信
と選ぶ必要があります。ここでポイントなのは「Eメール送受信」もその先の「受信」もショートカットキーが「3」に設定されている点です。つまり3を押しっぱなしにすれば自動的に「受信」も選択されてメールの受信が始まります。
さらに高度なテクニックとしてはメールの全件削除を押しっぱなしで実現するというものもあります。メールの全件削除の際に暗証番号4桁の入力が必要ですが、あらかじめ暗証番号を1111に設定しておくことでサブメニューを呼び出したあと1を押しっぱなしにすることですべての操作を行えるそうです。
そうです、というのはこれは誰かが書いていたのを覚えていたためです。すごいことを考えるなーと感心したのを思い出しました。
ずいぶんつらつら書いてしまいましたが微妙に便利だった…というのが実際のところです。まあやはりもっさりなのであまりフォローにもならないんですけどね。京ぽん2ではレスポンスも改善されていると言うことなので期待して待ちましょう!